日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題
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音声・音韻体系
登録日
2004年12月16日
問題
次の文章を読んで、後の問に答えよ。
日本語の音節数は、英語や韓国語に比べて非常に少なくおよそ100~110程度だといわれている。音節とは何かという定義の問題があるが、ここでいう「音節」とは日本語の音韻に関して「拍(モーラ)」という単位を指しているものと解釈して話をすすめる。
上記の解釈でいくと、五十音表の直音ア行からワ行(「ん」は除く)までで( ① )。そして、そこに拗音の( ② )を足して65という数字が出る。
さらに濁音、半濁音を数えなければならない。直音の濁音ガ行からバ行までで20であるが、( ③ )ので2を引いて18、半濁音パ行5を加えて、合計23。また、拗音の濁音と半濁音ギャ行からピャ行までで15であるが、前記③と同じ理由により、「ぢゃ・ぢゅ・ぢょ」の3を除いて12となる。ここまでの合計音節数が65+23+12で100という数字が現れる。
これに( ④ )の撥音・促音・長音の3を加えると103というのが、まず基本の数と考える。
ここから先は、学者の主張によってはさらに音節数が増えることになる。たとえば、ガ行の鼻濁音を音韻上、別の音であるとしてカウントすれば「ガ・ギ・グ・ゲ・ゴ」「ギャ・ギュ・ギョ」が二種類あることになり、さらに8を加えなければならないので、日本語の音節数は111ということになる。
また、外来語の音韻には上記の音韻にはないものが含まれる。日常生活でもよく現れそうなものを挙げると「チェ」(楽器の「チェロ」など)や「ファ」(流行の「ファッション」など)は上記の記述では日本語の音韻としては扱われておらず、この外来語の音韻のどこまでを日本語の音節として入れるかという問題は簡単に決められることではない。
問 文章中の①~④にはいる適当なものを選べ。
① | a.42 | b.43 | c.44 | d.45 |
② | a.23 | b.22 | c.21 | d.20 |
③ | a. | 「じ・ず」と「ぢ・づ」という音は現代日本語では使い分けが行われていない |
b. | 「じ・ず」と「ぢ・づ」は語頭の環境と語中の環境では発音が異なる | |
c. | 「じ・ず」は漢字の音読みで元々濁っているものであり、数に数えない | |
d. | 「ぢ・づ」は同音の連呼や二語の連合によってしか生じないものだから数に数えない |
④ | a.特殊拍 b.自由異音 c.条件異音 d.音便 |
解答
① c
② c
③ a
④ a
問題解説
① ワ行の「ヲ」は数に入れていない。これは現代語の音としてア行の「オ」との差がないからである。
② 解説特になし
③ いわゆる「四つ仮名の混同」のことである。
④ 解説特になし