日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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異文化接触

登録日

2007年05月23日

問題

次の文章を読み、後の問に答えよ。

一人の人間が悩みや問題を持ち、その解決を望んでいるときに、他の人間が援助する。このとき悩みや問題を持ってくるひとがクライエントで、それを援助する人がカウンセラーである。カウンセリングは、特定のカウンセラーとクライエントが作り出す、二度と同じことがありえない独特のかかわり合いである
カウンセリングの進行や経過に伴い、両者の姿勢や気持ち、関係、相互作用が重要な要素となる。このプロセスを経験し、カウンセラーとクライエントの間で形成される信頼関係を(1)という。
カウンセラーは、クライエントが自由に自己開示できるように、クライエントの不安や緊張した心理状態を受け止め、クライエントにとって安全で信頼できる環境を作ろうと努める。
カウンセリングは、その源を職業指導にたどることができ、後に進路指導や学校生活への適応など、教育の場における心理的援助活動に対してこの用語が使用されるようになった。そこには人間が自己実現に向かって自分で目標を定め行動ができるという「成長モデル」の人間観が反映されている。
カウンセリングと心理療法は混同されることがあるが、心理療法は、その源が医学にあり、患者の問題や症状を、精神的・心理的障害として治療するのが専門家の役割と考える「医療モデル」に基づいている。

 

問1)

文章中の下線部Aについて、来談者中心療法を創始したロジャーズの挙げたカウンセラーの態度として、不適当なものを選べ。 

  1. 相手を無条件に受け入れようとする態度
  2. いかなる相手に対しても一つの基準で接する態度
  3. 相手の感情や考えに積極的に耳を傾ける傾聴の態度
  4. その人の世界をカウンセラーも体験しようとする共感的な態度

 

問2)

文章中の(1)に入る最も適当なものを選べ。

  1. エポケー
  2. ラポール
  3. ユートピア
  4. アウェアネス

 

問3)

文章中の下線部Bについて、ロジャーズ以後、小集団で互いに率直に感想を表明しあい、他者との出会いを体験していくスタイルが展開した。これを何というか。

  1. エンカウンター・グループ
  2. セルフ・ヘルプ・グループ
  3. モチベーション・リサーチ
  4. カルチュラル・クレンジング 

解答

問1)2
問2)2
問3)1

問題解説

問1)

一つの基準にこだわることは、カウンセラーとして危険なことである。

問2)

互いに親しい感情が通い合う状態。打ち解けて話しができる関係。

問3)

1960年代のアメリカの人間性回復運動のなかで生まれたエンカウンター・グループは「個人の心理的成長、個人間のコミュニケーション及び対人関係の発展と改善を目的とする。

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