日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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言語教育法・実技(実習)

登録日

2005年07月14日

問題

次の文章を読んで、問に答えよ。

 プロジェクト・ワークとは、①学習者が自分たちで話し合って計画をたて ②実際に教室の外で日本語を使ってインタビューや資料集め、情報集めなどの作業を行い ③作業の結果を持ち寄って一つの制作品(報告書やビデオ、発表など)にまとめる学習活動である。
 ( A )プロジェクト・ワークの一番の特徴は「実社会と接触する」ことである。これは必ずしも日本人と話をすることとは限らない。
 プロジェクト・ワークにおけるタスクで一番重要なことは(1)。このようなタスクを設定できるかどうかが、学習活動全体を成功させられるかどうかの「カギ」となる。
 たとえば「新聞作り」は中級以上の学習活動として設定されるのが普通である。これは「どんな問題について調べるか」「情報集め」「記事書き」を経て「新聞完成」まで、さまざまな作業を次々に行わなければならないし、また技能として、人に話を聞くことはもちろん、メモをとったり、要約して報告したり、長い文章を書いたり、〈話す〉〈聞く〉〈読む〉〈書く〉の四つのスキルを全部使った複雑なタスクをこなさなければならないからである。そういう意味で日本語学習を始めたばかりの学習者には(2)。


問1 下線部( A ) について具体的な例を挙げた。最も適切なものを選べ。

  1. 街にいる外国人と日本語で話をする。
  2. 英字新聞を読んで、そこから問題を取り上げる。
  3. 電車のホームで「急行」と「特別急行」を見分ける。
  4. 自分の国で問題となっていることを日本人・外国人にとらわれずに話す。

 
問2 (1)に入る最も適切なものを選べ。

  1. 「現在日本で問題となっていること」を取り上げることである。
  2. 「学習者にとって意味のあること」を取り上げることである。
  3. 「日本語をなるべくたくさん使わせる活動」を取り上げることである。
  4. 「インフォーメーション・ギャップ」をあらかじめ用意しておくことである。

 
問3   (2)に入る最も適切なものを選べ。

  1. 残念なことだが、プロジェクト・ワークという活動は不可能である。
  2. 日本人や日本社会との接触を意識させずにできる活動を選ぶことが重要である。
  3. 初級文型の運用を行わせる目標を設定すると、取り組みやすくなる。
  4. 「アイデアを出し合うプロセス」などを省いて、初めから単純で具体的な行動目標に向かうほうが取り組みやすくなる。

解答

問1 3
問2 2
問3 4

問題解説

問2

学習者が「今まで知らなかったこと」「知りたいと思ったこと」を知ろうとするところからタスクを達成させる意味が生じる。そうして手に入れた情報や知識が自分たちの興味や生活上の必要に結びつくとわかれば、タスクを成功させようという意欲もおのずから強まる。

問3

たとえば、初級前半でも次のようなプロジェクト・ワークは可能である。
「商品調査」の学習活動

  1. タスクを明らかにする:自分の買いたい商品を一つ決める。
  2. 教室外の活動に必要な言語練習:欲しい品物について、お店の人に説明するためのいろいろな表現や値段の聞き方を練習する。
  3. 教室外活動の準備:誰(どのグループ)がいつ、どこに品物の価格を聞きに行くかを決める。
  4. 教室外の活動:デパート、スーパー、個人商店などに値段を聞きに行く。
  5. 情報を持ち帰って、まとめ、報告しあう。
  6. フィードバックのためのディスカッション

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