日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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言語理解の過程

登録日

2006年11月29日

問題

 次の文章を読み、各問いに答えよ。

 「あなたはソバとラーメソのどちらが好きですか」この文をさっと読んで違和感を覚えなかった人は(①)処理を行っていたといえる。ソバからラーメンを連想することによって、文字を一つ一つ読まなくても意味を理解することができたからである。文字列を逐一読んでいたなら、ラーメソという文字列は非単語なので、変だと感じるはずである。このタイプの情報処理は、麺類等の概念や知識に引きずられる形で進行することから(②)とも呼ばれる。
 ところで、駅の雑踏などの雑音のひどい場所で友人らと会話に夢中になっていると、いつの間にか雑音や他の人の話は耳に入らなくなる。しかし、隣のグループの会話に自分の名前が出てくると、突然それが聞き取れたりする。そのような現象を(③)という。これは注意の働きを示す典型例としてよく知られている。
 注意という心的資源には限りがあるため、なるべく効率的に配分することが必要とされる。言語認知の場合、その助けとなるのがスキーマである。

 

問1) 文章中の①~③に入る最も適当なものを選べ。

  1. チャンキング
  2. トップダウン
  3. ボトムアップ
  4. リフレーミング

  1. 対話処理
  2. 自然言語処理
  3. 概念駆動型処理
  4. データ駆動型処理

  1. バーナム効果
  2. ストループ効果
  3. サブリミナル効果
  4. カクテルパーティー効果

 

問2) 文章中の下線部「スキーマ」に類似した概念として最も適当なものを選べ。

  1. カテゴリー
  2. スクリプト
  3. メタファー
  4. ミラーリング

解答

問1) ① 2  ② 3  ③ 4
問2) 2

問題解説

問1)

①トップダウン処理は、既に持っている知識や経験、期待によってなされる情報処理であり、概念駆動型処理ともいう。これとは反対に、低次元なレベルからより高次なレベルへと情報処理が進むのがボトムアップ処理のことであり、これはデータ駆動型処理という。
③カクテルパーティー効果は、自分の名前など注意を向けやすい言葉に対して、周りが騒がしくても区別して聞き取れる現象のこと。

問2)

スキーマは、単なる知識の集合だけではなく、人間が外界の情報を解釈し、取り入れる際の枠組みとして機能する。1975年にラメルハートによる「スキーマ」、ミンスキーによる「フレーム」、シャンクによる「スクリプト」の提案が独自に提唱された。これらは本質的には同じ概念であり、心理学では一般的にスキーマ理論と呼ばれている。

 

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