日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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登録日

2008年08月26日

問題

次の文章を読み、設問に答えよ。

 

日本語文法の述語には、動詞から成っている述語動詞と形容詞でできた形容詞述語と名詞で形成された名詞述語がある。述語に存在する文法カテゴリーには、肯否・テンス・丁寧さ・モダリティ(ムード)がある。


それぞれの文法カテゴリーは、動詞述語では、肯否[走る(肯定)-走らない(否定)]、テンス[走る(非過去)-走った(過去)]、丁寧さ[走る(普通)-走ります(丁寧)]、モダリティ[ [走る(断定)-走るだろう(推量)](述べ立て)-走れ(命令)-走ろう(意志・勧誘)]、という形態的な対立でもって実現されている。モダリティには、認識のモダリティと発話・伝達のモダリティがある。
 

形式の担っている文法的意味を読み取るうえで重要なことは( 1 )の形式「走ら+なかっ+た+でしょう」が[否定+過去+丁寧+推量]を表していることを理解するとともに、元の形式「走る」が[肯定+非過去+普通+断定]を表している形式である、ということを理解することでもある。「走った」にあっても、過去だけを表しているわけではなく、他の文法カテゴリーも担われているのである。

 

問1

文章中の( 1 )に入る適当なものを選べ。

 

 

1

能記  2 所記  3 無標  4 有標

 

 

問2

タ形の用法が他と異なるものを選べ。

 

 

1

さあ、目的地に着いぞ。

2

危ない。どい。どい

3

冷蔵庫にビールがあっんだ。

4

明日の会議は9時からでしか。

 

 

問3

文法カテゴリーとしてのテンスについて、最も適当なものを選べ。

 

 

1

中国語も朝鮮語も持っている。

2

中国語も朝鮮語も持っていない。

3

中国語は持っているが、朝鮮語は持っていない。

4

中国語は持っていないが、朝鮮語は持っている。

 

解答

問1 4
問2 1
問3 4

問題解説

問1

女医と医者では、女医が有標で医者が無標になる。このように有標は、同種の物事を表すときに、ある特徴を積極的に示すこと。「走らなかったでしょう」は有標で、「走る」は無標。

問2

1のみテンスを表している。他はモダリティというべきで、ぞんざいな命令、想起、確認を表している。

問3

中国語は、文法カテゴリーとしてのテンス(形態的な対立)を持っていない。

 

 

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