日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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異文化理解と心理

登録日

2008年04月01日

問題

次の文章を読み、問いに答えよ。
 

学習者オートノミーとは、学習者が自分の学習の理由、あるいは目的と内容、方法に関して選択を行い、その選択に基づいた計画を実行し、結果を評価できる能力である。
第二言語教育において、学習者オートノミーという用語が初めて使われたのは、1960年代後半のフランスであった。学習者オートノミーを目指した初期の実践は、この時代のフランスの政治的状況を反映したものであり、(1)、パウロ・フレイなど伝統的な教育制度を批判した同時代の理論家・実践家の影響を受けていたとされる。
学習者オートノミーは、学習者が生来持っているものではなく、教育の中で育てるものであるという見解は多くの実践家・研究者に共有されている。第二言語教育は学習者オートノミーを育てることを目標にすべきであると主張する人々もいる。
 

問1)文章中の(1)に入る適当なものを選べ。

  1. ジョン・デューイ
  2. イヴァン・イリイチ
  3. セレスティン・フレネ
  4. ルドルフ・シュタイナー
     

問2)文章中の下線部の理由として不適当なものを選べ。

  1. 自分で選択することが外発的動機につながる。
  2. 自分の学習に関する選択を行うことは学習者の権利である。
  3. 社会の急速な変化に対応するためには、生涯にわたって学び続ける必要がある。
  4. 第二言語使用者として成功するためには、自分のことは自分ですることが欠かせない。

解答

問1)2
問2)1

問題解説

問1)

イヴァン・イリイチ。オーストリア生まれ。鋭い文明批評を続け、「コンビビアリティ」(共生、相互親和性)をキーワードに教育、技術、思想、生命など、多岐にわたる対象を取り上げ、『脱学校の社会』『脱病院化社会』『ジェンダー』などの著書を通じ、産業化社会の抱える問題点を提起した。

問2)

外発的動機付けではなく内発的動機付け
学習者オートノミーの概念は、西欧の個人主義を背景にして生まれたものであり、集団主義的文化を持つアジアの学習者には適当ではないのではという議論が一時期あった。

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