日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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異文化コミュニケーションと社会

登録日

2011年10月11日

問題

次の文章を読み,下の問いに答えよ。

日本人のコミュニケーションの特徴を表す表現に(1)がある。ことばにしなくてもその裏に込められた意味を察すること、断定的な表現を避けたりする表現形式と関連し、日本人のコミュニケーションはことばがさほど重みを持たないという特徴を示している。
1960年代にアメリカで文化とコミュニケーションに関心が集まり、文化人類学者の(ア)は「異文化間コミュニケーション」という用語を紹介した。ここでのアプローチでは、対人関係、社会的文脈、行動様式、価値観などと関連づけて、ことばによるコミュニケーションの本質を文脈の中に求めながら、異文化間コミュニケーションを研究している。特に、言語が人間関係を作り上げるための機能を持っていることに注目し、話し手と聞き手の社会的関係、状況や文脈のとらえ方が同文化内のコミュニケーションと異文化間のコミュニケーションではどのように(2)があるかを考察する。(ア)は、文化を二つに分け、(3)が発達し、話し手と聞き手の間に共有されている情報や経験が少ない文化を(4)文化と名づけた。

問1)

文章中の(1)(4)に入れるのに最も適当なものを,次の1.~4. の中からそれぞれ一つずつ選べ。

(1)

  1. 以心伝心
  2. 沈黙は金
  3. 不言実行
  4. 口は災いのもと
(2)
  1. 漏れ
  2. ずれ
  3. 慣れ
  4. 流れ
       
 (3)
  1. 全体主義
  2. 集団主義
  3. 開示主義
  4. 個人主義
 (4)
  1. 低位言語
  2. 高位言語
  3. 低コンテクスト
  4. 高コンテクスト
       

問2)

文章中の(ア)に入れるのに最も適当なものを,次の1.~4. の中から一つ選べ。

  1. ホール
  2. サピア
  3. バーンスタイン
  4. ファーガソン
     

問3)

異文化間コミュニケーション成立のための諸要因を考える場合,最も重要度が低いと思われる要因を,次の1.~4. の中から一つ選べ。

  1. スクリプト
  2. ダイグロシア
  3. ステレオタイプ
  4. 内集団・外集団

 

解答

問1) (1)1  (2)2  (3)4  (4)3
問2) 1
問3) 2

問題解説

問1)

日本は,きわめて同質性の高い社会であるため,曖昧な表現でも互いの真意がどこにある か分かる。高コンテクスト文化の日本人はいちいち口に出して言うのを避ける傾向にある。

問2)

ホールは,コンテクストを手がかりに社会とそこにおけるコミュニケーションのあり方を類型化。コンテクストとは,集団や社会のメンバー間に共有化された価値観や行動様式のレベル。

問3)

ダイグロシア(diglossia)とは,社会において二言語が併用して使われている場合をさす。

 

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