日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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言語と社会の関係

登録日

2008年08月19日

問題

次の文章を読み、設問に答えよ。

ことばの地域差は一般に「方言」と呼ばれるが、現在の日本語方言は、過去における中央語の伝播によって作り出された。中央で生まれた新しいことばは順次地方へ広がるため、原理的には古いことばほど日本の周辺部に残ることになる。この作用によって生成された分布は、ちょうど池に小石を落としたときの波紋のように同心円的な拡がりを見せるので、A「周辺分布」と称される。ただし、日本は東西に長いため、実際には近畿をはさんで東西が呼応する分布となる。例えば、「顔」の名称は、対極的に見て、日本の中央部のカオをはさみ、その両側の東北および九州・琉球ではツラである。上の原理によれば、ツラはカオより古い日本語の状態を残したものと推定される。
同心円的な分布に対して、東日本と西日本で方言が大きく異なることもあり、B「東西対立」と呼ばれる。これは、中央語に対して東日本と西日本が違った対応をとったために生じた地域差である。「塩辛い」を東日本ではショッパイ、西日本ではカライというのは、その一例である。この場合、西日本が中央語の古い状態をそのまま保ったのに対し、東日本は古語「しほはゆし」を積極的に改変し、ショッパイに作り変えて広めたのである。

 

問1)

文章中の下線部Aに関係する人物として最も適当なものを選べ。

  1. 伊波普猷
  2. 柳田国男
  3. 知里真志保
  4. 金田一京助

問2)

文章中の下線部Bについて、明治期に国語調査委員会が初めて調査を元に実施したものを選べ。

  1. 糸魚川・大垣線
  2. 糸魚川・大井川線
  3. 糸魚川・浜名湖線
  4. 糸魚川・富士川線

問3)

文章中の下線部B「東西対立」の例として、不適当なものを選べ。

  1. 「学区」と「校区」
  2. 「挽き肉」と「ミンチ」
  3. 「一年生」と「一回生」
  4. 「卓球」と「ピンポン」

解答

問1)2
問2)3
問3)4

問題解説

問1)

柳田国男。民俗学者。カタツムリ方言を主材料とした『蝸牛考』で方言周圏論を説いた。

問2)

糸魚川・浜名湖線は、明治41年に当時の国語調査委員会が実証したもの。方言の東西区画については諸説ある。

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