日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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総合問題

登録日

2011年10月18日

問題

次の文章を読み,下の問いに答えよ。

独立行政法人・国際交流基金関西国際センターが今年の2月に,外国人向けサイト(ア)の日本語」を開設したところ,アクセス数は半年間で約210万件に達したという。
世界中で,日本の(ア)を「日本語で理解できるようになりたい」というファンは多いものの,教科書には出てこない表現も多く,意味が分からないままになってしまっているという相談が同センターに多く寄せられ,それに応えたものである。
(ア)でよく使われている語彙・フレーズなどを収録しており,日本語を選択すると,意味や用法などが英語で説明される仕組みになっている。
日本語を学ぼうとする動機はさまざまである。国際交流基金が2009年度に実施した「海外日本語教育機関調査」でも,各教育機関共通で(イ)などが主な学習動機に挙がっており,日本語教育の現場においては,こういった学習者のニーズを念頭に置き,学習動機を高める教材開発,教室活動などの研究が求められると言ってよいだろう。

問1)

文章中の(ア)入れるのに,最も適当なものを次の1.~4. の中から一つ選べ。

  1. ドラマ・エイガ
  2. アニメ・マンガ
  3. アニメソング
  4. J-POP

問2)

文章中の(イ)に入れるのに,不適当なものを,次の1.~4. の中から一つ選べ。

  1. 「日本の文化に関する知識・情報を得るため」
  2. 「日本語という言語そのものに興味があるため」
  3. 「学校教育機関で学ぶように定められているため」
  4. 「日本語によるコミュニケーションができるようになるため」

問3)

文章中の下線部について,学習動機を高めるための教材開発において重要とされてない視点はどれか。次の1.~4. の中から一つ選べ。

  1. 「おもしろそうだな」という関心を引くもの
  2. 「やらなければならない」という義務感を伴うもの
  3. 「やればできそうだな」という自信をつけさせるもの
  4. 「やって良かった」という満足感を味あわせるもの

 

 

解答

問1) 2
問2) 3
問3) 2

問題解説

問1)

国際交流基金関西国際センターが開設したサイトは,「アニメ・マンガの日本語」 (http://anime-manga.jp/)である。人気のある様々なアニメ・マンガから,キャラクター特有の表現,フレーズ,語彙を収集している。場面ごとの表現や,プロの手によるオリジナル漫画などもあり,漸次コンテンツも更新されている。

問2)

1の「日本の文化に関する知識・情報を得るため」については,2009年度調査からは,「歴史・文学等」と「アニメ・マンガ・J-POP等」の別々の項目で質問されるようになっているが,どちらも多くの学習機関で選択されている。3「学校教育機関で学ぶように定められているため」については,初等・中等教育段階では多くの機関が選択しているが,高等教育や学校教育機関以外ではそれほど選択されていない。

問3)

教材設計過程において動機付けの問題に取り組むことを支援するために,Kellerによって提唱されたモデルに「ARCS動機付けモデル」というものがある。これは,Attention(注意喚起),Relevance(関連性),Confidence(自信),Satisfaction(満足感)の4つの要因からなっている。  つまり,「面白そうで(関心),役に立ちそうな(関連性)ことを,やらせて自信をつけ(自信),ほめてやる(満足感)」という観点からの教材開発が,学習者の動機を高めるという考えである。

 

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