日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題
検索カテゴリー
言語教育法・実技(実習)
登録日
2009年04月07日
問題
次の文章を読んで、各問いに答えよ。
作文指導の方法は、従来は表出された作文について評価を与え、その評価を手がかりに学習者が誤りを訂正する産出中心の指導法であった。1990年代になって作文指導についての先行研究が整理され、産出中心の指導法は効果的でなく、作文を書く過程で作文術についての知識を活性化させ、学習者が習得していない知識を与える(1)の指導の有効性が実証された。
問1)文章中の(1)に入る最も適当なものを選べ。
- プロセス中心
- プログラム中心
- プロダクト中心
- プロジェクト中心
問2)下手な書き手の特徴として不適当なものを選べ。
- 計画に時間をかけない。
- 表面的な誤りの修正に注意を向けやすい。
- 書く前に自分の考えをまとめるので、すぐに書かない。
- 作文の過程が、書いて修正するという直線的な活動になりやすい。
問3)アカデミック・ライティングの指導法として最も適当なものを選べ。
- 学習者がそれぞれの専門分野の読み手の期待に合致した文章が書けるように指導を進める。
- 形式重視の学習を進めていくことで、自由作文の基盤を作ることがこの指導法の目的である。
- 対象言語のパラグラフ・パターンを模倣することで、ライティング技術を学ばせることを狙いとした指導法である。
- 学習者の自由な自己表現を促す作文指導技術で、形式や文法を気にせず、手を休めることなく書き続けることに特徴がある。
解答
問1)1
問2)3
問3)1
問題解説
問1) | 作文指導の歴史的な流れは、伝統的な形式重視のプロダクト中心の指導法(プロダクト・アプローチ)から、書き手重視のプロセス中心の指導法(プロセス・アプローチ)へ、さらに読み手中心の指導法へと発展してきている。 |
問2) | 3は優れた書き手に見られる特徴である。 |
問3) | アカデミック・ライティングが、書き手を重視する他の作文指導と決定的に異なる点は、「読み手」の期待に合致した文章が書けるという点にある。 |