日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題
検索カテゴリー
総合問題
登録日
2009年11月17日
問題
次の文章を読み、各問いに答えよ。
EU(ヨーロッパ連合)において、域内の言語につき、CEFR(Common European Framework of References for Languages、ヨーロッパ言語共通参照枠)という枠組みが2001年に発表された。これは域内の諸言語について( 1 )という考え方をもとに処理しようとするものである。また、外国語教育のシラバス、カリキュラム、教科書、試験の作成、および学習者の能力評価時に共通の基準となるものである。
そこで、学習者は自らの外国語能力についてELP(European Language Portfolio、ヨーロッパ言語ポートフォリオ)を所持することを想定している。ELPは、学習者が取得した資格と重要な言語的・異文化的体験を、国を超えて明瞭な形式で記録でき、生涯にわたって使用できる個人記録である。
CEFRにおいては、能力の記述は「何ができるか」で示され、6つのレベルに分けられている。例えば、最も下位のレベルで「書くこと」に関しては「新年の挨拶など短い簡単な葉書を書くことができる。例えば、ホテルの宿帳に名前、国籍や住所といった個人のデータを書き込むことができる」のように明瞭に定められている。
しかし、CEFRに対しては、シュベートフェーガーが2003年に( 2 )という批判を投げかけており、グローバリゼーションに対するのと同様の問題点をはらんでいるという指摘もある。
問1) | 文章中の( 1 )に入る最も適当なものを選べ。
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問2) | 文章中の( 2 )に入る最も適当なものを選べ。
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問3) | 文章中の下線部について、言語ポートフォリオを構成すると考えられていないものはどれか。
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解答
問1) 3
問2) 4
問3) 2
問題解説
問1) | 複言語主義(plurilingualism)は欧州評議会言語政策部門による新造語である。多言語主義と異なり、ある人間が、一つ以上の言語について、たとえ限定的であっても、複合的な能力を持ち、(第一言語に限らない)コミュニケーションのための言語の価値観を有していることを意味している。 |
問3) | ELPの構成は、言語能力が確認できる言語パスポート、記録できる言語学習記録、学習成果が保存できる資料集の3部構成になっている。 |