日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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言語の構造一般

登録日

2015年02月10日

問題

次の文章を読み,各問いに答えよ。

 

D【言語学基礎】

そもそも「言語」とは何であろうか。言語は人間だけが持つ意思伝達手段だとされているが、蜂が仲間に蜜の場所を知らせるダンスや鳥のさえずりなどのA 動物のコミュニケーション手段との違いはどこにあるのだろうか。

まず人間の言語は、記号の体系であり、B シニフィエとシニフィアンから成っている。このシニフィエとシニフィアンの結びつきには必然性はなく、これを「C 言語記号の恣意性」と呼んでいる。

また人間の言語は、音素のレベルと、形態素のレベルの2段階に分けることができる。

このような仕組みを「D 言語の二重性(二重分節性)」と言う。

 

問1)

文章中の下線部A「動物のコミュニケーション」の特徴を述べた文のうち、誤っているものを選べ。

  1. 形式と意味が対応している。
  2. 遠くの仲間とは交信できない。
  3. 伝達できる情報の種類に限りがある。
  4. 非常に正確な情報を伝達することができる。

問2)

文章中の下線部B「シニフィエ」に関わる現象として最も適当なものを選べ。

  1. 「梅」は,「うめ」「ウメ」と表記する。
  2. 「やはり」を「やっぱり」「やっぱし」と言う。
  3. 「雨」と「飴」のアクセントの型は異なる。
  4. 「蝶(ちょう)」をかつては「てふ」と表記した。

問3)

文章中の下線部C「言語記号の恣意性」の例として最も適当なものを選べ。

  1. 英語では「犬」のことを“dog”と言う。
  2. 子どもが「犬」のことを「ワンワン」と呼ぶ。
  3. 「犬」は「権力の犬」と比喩的にも使われる。
  4. 「犬」は「いぬ/ケン」の二通りの読み方がある。

問4)

文章中の下線部D「言語の二重性」に関わる現象として最も適当なものを選べ。

  1. 人は多種多様な言語音を発音できる。
  2. 音素の数には限りがない。
  3. 無限に多くの文を作り出すことができる。
  4. 音素の並び方によって語の意味が決まる。

 

解答

問1) 2
問2) 3
問3) 1
問4) 3

問題解説

問1)

音声・超音波などにより遠くにいる仲間にもメッセージを伝達することができる。

問2)

シニフィエは「表わされる意味」の方であるが、3のアクセントの違いはまさに意味の違いでありシニフィエに関わるものである。他の表記の問題や促音の添加による音の違いは、(印象の差はあれ)意味の違いにはいたっていない。

問3)

2擬音語による呼び方は、言語獲得の過渡期の現象であるが、擬音語は恣意性に乏しいとも言われており、恣意性の例とは言えない。やがて恣意的な「犬」という呼び方を覚えるものである。

問4)

1は二重性の前提だが直接的な関係はない。2音素は数十程度しかない。4は線条性に関する記述。

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