日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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音声・音韻体系

登録日

2016年03月08日

問題

*この問題は2005年に掲載した問題の再掲載となります。申し訳ありませんが、ご了承ください。

次の文章を読み、後の各問に答えよ。

 日本語の音声、音韻の特徴として、撥音・促音・長音の存在を挙げることができる。これらはいずれも「子音+母音」からなる通常の音節1個分と同じ長さを持つ点で共通しており、特殊拍あるいはモーラ音素と呼ばれることもある。
 さて、共通語(現代東京語)の音声の個々の音節で特に問題となるものに次のようなものがある。連音上の現象として「母音の無声化」と「ガ行鼻濁音」の現象が注目に値するものである。

 

問1)

文章中下線部の「モーラ音素」という用語に含まれる「モーラ」に関する説明として最も適当なものを選べ。

  1. 音韻論的に等時間的である。
  2. すべての仮名1字が1音節に当たる。
  3. 英語などにおける「音節 (syllable)」と同じである。
  4. 撥音・促音・長音は先行音と一体となって1音節を成す。

問2)

無声子音の間にどのような母音がくると無声化が起こるか。最も適当なものを選べ。

  1. 後舌の広母音
  2. 前舌の半狭母音
  3. 後舌の狭閉母音
  4. 後舌の半狭母音

問3)

ガ行鼻濁音化を含む語の例として、最も適当なものを選べ。

  1. 「お元気」と「朝ご飯」
  2. 「小学校」と「株式会社」
  3. 「六十五歳」と「七五調」
  4. 「ジャングル」と「プログラム」

 

解答

問1) 1
問2) 3
問3) 2

問題解説

問1)

モーラとは、音韻論上の時間的単位。音韻論的音節ともいう。

問2)

東京語では、無声子音に挟まれた母音「イ」「ウ」が無声化を起こす。3の「後舌の狭閉母音」とは「ウ」のこと。ちなみに「イ」は「前舌の狭母音」である。

問3)

1語の意識が強い「小学校」と連濁によって生じた「株式会社」は、ともにガ行鼻濁音化される。他に熟語になりきっている「七五調」や外来語で一般化した「ジャングル」もガ行鼻濁音化される傾向にある。

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