留学生の今昔 | 日本語教師養成講座のアークアカデミー

留学生の今昔

2020/08/24

アークアカデミー新宿校の副校長北見に、時代の流れに伴う留学生の変化を話してもらいました。

日本語を学ぶ留学生の在り方は、時代によって変化してきています。長い年月と共に留学生を見つめてきた、日本語教師が思うこととは 。

 

留学生の今昔イメージの時計

早いもので私が留学生に携わるようになって20年が経ちました。この間、多くの学生との出会いがありました。

 

アークアカデミーで同じクラスになってカップルになり、その後結婚した人もたくさんいます。SNSで彼らのお子さんたちの写真を見ると過ぎた年月の重みを実感します。

 

さて、この20年の留学生たちの変化にはどんなことがあるか3つほどご紹介しましょう。

留学生を取り巻く時代の変化

まずひとつめは、インターネットが普及し、親とすぐに連絡がとれる環境になったことです。昔はメールはできても国際電話は料金が高く寂しくても頻繁な連絡は我慢している人が多く、ましてや顔を見ながらの電話なんて想像もできませんでした。それが今では週に1回、多い人は毎日チャットやテレビ電話で家族と気軽に連絡をとっています。

 

ふたつめは、留学生の国籍です。日本語学校によっても異なりますが、20年前は韓国人の割合がとても高かったです。まだ冬ソナブームが起こる前でしたが、当校も韓国人がダントツ1位でした。そのあとは中国人が増え、その次にはスリランカが増え、最近はベトナムが増えました。

食事もやっと…とある中国人留学生

そんな流行がある中でもやはり日本語学校への留学が平均して多いのは、中国からの留学生です。

 

最後にそんな中国からの留学生の変化についてご紹介しましょう。

 

20年前は、お金に余裕のない人が多く、安くて満腹感を感じられるからという理由で登校時に食パン1斤持ってくる中国人がいました。まず登校して1枚、休み時間に1枚、下校前にまた1枚・・・と食べていた姿を思い出します。20代前半のまだまだ食べ盛りの人が多く、栄養失調にならないか心配しながら見ていました。

 

今は、金銭的に恵まれている人が多く、おしゃれなタトゥーをしてくる人もいて、中国の変化の大きさを感じます。アルバイトをする必要もなく、親が日本にマンションまで買ってくれたという学生の話を聞いた時には中国の経済発展の凄さを感じたものです。

日本語学校で働くということ

さて、留学生と関わるようになってずいぶんと長い時間が過ぎましたが、学生対応の際にいつも大切にしていることがあります。

 

それは、世界にたくさんの国がある中で、日本を選んで留学してきてくれたこと、そして何百という学校の中からアークアカデミーを選んで来てくれた留学生たちが、どんなに大変なことがあっても最後には『来てよかった』と思ってもらえるような学校にしたいという気持ちです。

 

さて、これからどんな学生に会えるのか考えるとワクワクしてきます。そう思える仕事に携われていることに感謝しながら今日も笑顔で学生を迎えます。『おはようございます』と元気な挨拶とともに。

 

国地域別留学生数上位5か国

国(地域)名 留学生数(人) 前年度比増減
令和元年度 平成30年度 人数(人) 増減率(%)
中国 124,436 114,950 9,486 8.3%
ベトナム 73,389 72,354 1,035 1.4%
ネパール 26,308 24,331 1,977 8.1%
韓国 18,338 17,012 1,326 7.8%
台湾 9,584 9,524 60 0.6%

独立行政法人 日本学生支援機構

2019(令和元)年度外国人留学生在籍状況調査結果

 

 

新宿校 副校長 北見 里枝