日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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言語習得・発達

登録日

2004年08月19日

問題

次の文章を読んで、後の各問に答えよ。

 言語教育あるいは言語学習という活動においては、単に知識を詰め込んだり、またやみくもに話したり聞いたりするだけではその能力を十全に伸ばすのは困難である。そこで近年学習者の能力を伸ばすための方法がいろいろな方面から研究され始めている。
 その領域の一つにストラテジー研究といわれるものがある。ストラテジーとは日本語では「方策」「方略」などと訳されることが多いが、「工夫」のことであると考えればわかりやすいであろう。
 例えば、( 1 ) 相手に言いたいことをうまく伝えるためのストラテジーには、①新語創造や、表したいものの特徴の説明などで言い換える( a )。②母語から逐語訳をしたり、母語をそのまま使う( b )。③伝えたい内容を縮小したり、やや異なる内容を表す表現で済ませたり、あきらめたりする( c )。④非言語つまりジェスチャーなども武器になることもある。
 その他、( 2 ) 意味のよくわからない未習語に出会ったとき、演繹的に推論、分析したり、母語と比較、あるいは翻訳したり、また直接相手に確認したりするストラテジーもある
 また、( 3 ) 学習者が学習を促進するために、自分の学習目的を明確にして、そのために学習計画を立て、実行し自己評価を行うなどというストラテジーも有効である。
 

問1.文中の( a )~( c )に入る適当な語を選べ。
 1.借用  2.回避  3.拡張  4.言い換え  5.逆戻り
 

問2.文中下線部( 1 ) ~( 3 ) のストラテジーを何というか。
 1.伝達ストラテジー  2.認知ストラテジー  3.メタ認知ストラテジー
 4.情意ストラテジー  5.社会的ストラテジー

解答

問1.a.4  b.1  c.2
問2.( 1 ) 1  ( 2 ) 2  ( 3 ) 3

問題解説

「情意ストラテジー」とは言語学習に影響を与える感情や態度、動機などをコントロールするストラテジー。「社会的ストラテジー」とは、説明や確認、修正をしてもらうために教師やネイティブ・スピーカー、またより堪能な学習仲間に質問をするなど自己の社会的な環境を利用するストラテジーのこと。

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