日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題
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総合問題
登録日
2008年03月11日
問題
次の文章を読み、問いに答えよ。
1984年にブラウンらによって提唱され、貧困層の子どもたちの読解力をつけるために行われた教授法を(1)という。この手法は、短い文章を題材として教師と学習者が会話をしながら「わからない言葉などを明確化する」、「読んだ文章から質問を作る」、「次にどんな文が来るかを予測する」、「文章を要約する」というプロセスを、リーダーを交代しながら繰り返し行うことにより学習効果を高めようとするものである。
これは、他者との相互作用で発達が起こるとした、(2)の理論をベースとした教授法で、学習者は、教師という読解のスキルを持った人を参考にしながら、自立した学習者へと成長していく。教師と学習者、学習者同士で相互に作用しあう。こういった活動を通じて、自立した学習者を育てるというのが(1)のやり方であり、目指す方向である。
問1)文章中の(1)に入る適当なものを選べ。
- VT法
- 相互教授法
- プロセスアプローチ
- タペストリーアプローチ
問2)文章中の下線部に関係あるものとして適当なものを選べ。
- 認知的徒弟制
- 正統的周辺参加
- 発達相互依存仮説
- 発達の最近接領域
問3)文章中の(2)に入る適当なものを選べ。
- レイブ
- イタール
- ピアジェ
- ヴィゴツキー
解答
問1)2
問2)4
問3)4
問題解説
問1) |
相互教授法は字義通り、「相互に」「教えあう」ことを取り入れた教授法。 |
問2) |
ヴィゴツキー提唱の「発達の最近接領域」は、一人で問題解決が可能な現在の発達レベルと、一人では解決できないが援助を受けることによって達成可能な発達レベルのズレを意味する。学習は個人の中で起こるのではなく、周囲とのかかわりの中で起こり、発達すると考えられている。 |