日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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登録日

2015年09月01日

問題

*この問題は2006年に掲載した問題の再掲載となります。申し訳ありませんが、ご了承ください。

次の文章を読み、問いに答えよ。

 日本語は、本来、文字を持たなかった。中国から漢字・漢文が伝えられたが、当初はこれらを外国語として中国音のまま理解し、使用したようである。その後、日本語を表記するのにふさわしいよう工夫をこらすことになる。
  そもそも、漢字・漢文で日本語を表現しようとすると、困難を感じる部分が多々出てきたことであろう。古代の人々は、それを漢字の音を借りて解決しようとした。これが万葉仮名である。漢字の音を借りて、日本語の音を表す。音仮名がまず現れ、漢字に訓が固定してくると、その訓を用いて日本語の音を写す訓仮名がこれに加わることになる。やがて、この万葉仮名から片仮名や平仮名が作られていくことになった。

 

問1) 文章中の下線部について最も不適当なものを選べ。

  1. 日本に伝来した漢字音は、古いものから、呉音→漢音→唐音の順である。
  2. 『古事記』は漢文体、『日本書紀』は変体漢文体で書かれているとされる。
  3. 「榊」「働」など漢字と同じような構成で、日本で新たに作られた文字を国字という。
  4. 漢文訓読の折り、漢字の四隅につけられた小字から「テニオハ」という語が生じた。

 

問2) 文章中の下線部Bについて最も適当なものを選べ。

  1. 平仮名の成立は片仮名より古く、奈良時代末期の8世紀後半には成立していた。
  2. 私的場面で使用されていた平仮名は、『古今集』序文を契機に、広く使われだした。
  3. 平仮名を主体にして書かれた作品に『竹取物語』『御堂関白記』などがある。
  4. 平仮名は、1886年の「漢字御廃止之儀」において1字1字体に定められた。
     

解答

問1) 2
問2) 2

問題解説

問1) 『古事記』(本文)は変体漢文体、『日本書紀』は漢文体で書かれている。
問2) 1: 片仮名のほうが成立は古く9世紀初頭から。平仮名は、9世紀末から10世紀前半の成立とされる。
3: 『御堂関白記』は記録体(変体漢文体)。
4: 「漢字御廃止之儀」とは、前島密の建白書(意見書)である。1866年に、徳川慶喜に建白された。

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