日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題
検索カテゴリー
文法体系
登録日
2016年02月23日
問題
*この問題は2008年に掲載した問題の再掲載となります。申し訳ありませんが、ご了承ください。
次の文章を読んで、後の問いに答えよ。
日本語の動詞は様々な観点から分類される。
三上章は、受け身の形を作ることができるかどうかで( 1 )という分類を立てた。後に、彼はこの分類をさほど有効なものではないとしたようだが、日本語のノン・ネイティブにとっては直感的にわかるものではなく、辞書などにその区分を残すことは有効であると思われる。
この分類の持つ特徴とよく似たものにA動作性動詞と状態性動詞がある。またB無意志動詞も受け身形を持たないものが多く、三上章には、これらの区分のほうがより合理的に見えたため、自らの仮説を無価値なものとみなすようになったようだ。
金田一春彦は「ている」という形の意味、用法に着目して動詞の4分類を行った。松下大三郎や佐久間鼎がすでに指摘していた「ている」の違いを集大成したものと言える。この4分類の中に「状態動詞」というものがあり、前述の状態性動詞と重なり合うものが多いが、中には「状態性動詞ではあるが、金田一の唱える説の状態動詞ではない」という動詞もある。
問1 文中の( 1 )に入る最も適当なものを選べ。 | |
1 | 能動詞と所動詞 |
2 | 主動詞と助動詞 |
3 | 本動詞と補助動詞 |
4 | 可能動詞と自発動詞 |
5 | 再帰動詞と非再帰動詞 |
問2 文中の下線部Aに関連した記述のうち、最も適当なものを選べ。 | |
1 | 動作性動詞は、「~ました」または「~た(だ)」の形で、過去または現在を表す。 |
2 | 状態性動詞は、「~ます」または辞書の形で、習慣または未来を表す。 |
3 | 動作性動詞は、「~ます」または辞書の形で、習慣または未来を表す。 |
4 | 状態性動詞は、「~ました」または「~た(だ)」の形で、過去または現在を表す。 |
5 | 動作性動詞は、「~ます」または辞書の形で、現在進行または未来を表す。 |
問3 文中の下線部Bに関連した記述のうち、最も適当なものを選べ。 | |
1 | 無意志動詞は、「~ない」の形で、否定推量を表す。 |
2 | 無意志動詞は、「~う(よう)」の形で、意志、意向を表す。 |
3 | 無意志動詞は、「~て(で)」の形で、命令を表す。 |
4 | 無意志動詞は、「~て(で)」の形で、願望を表す。 |
5 | 無意志動詞は、「~ます」の形で願望を表す。 |
解答
問1 1
問2 3
問3 4
問題解説
問1 | 可能動詞と自発動詞は未分化。再帰動詞と非再帰動詞という分類は日本語にはない。 |
問3 | 例えば、「(雨に)降って」のような、いわゆるテ形命令が願望を表す。 |