日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題
検索カテゴリー
世界と日本
登録日
2005年08月11日
問題
次の文章を読んで、①~⑤に入る最も適当なものをそれぞれ一つ選べ。
欧州連合(EU)は、1993年11月に( ① )によって発足した欧州統合の包括的組織体である。本部は( ② )に置かれている。
また、1994年6月には、ロシアとの間でもパートナーシップ・協力協定が調印された。こうした東方への拡大と並んで、地中海ならびに中東重視策もフランス、スペイン、イタリアによって強調されており、1994年以降、難民・移民問題への事前対処やイスラム原理主義への対抗を意識した新地中海政策の策定やクルド人問題、キプロス問題を抱えながらのトルコとの関税同盟の締結などの新展開がみられる。
さらに、EUは台頭するアジア経済圏への対策を強化して、1996年、EU15カ国にASEAN7カ国と中国、日本、韓国を加えた25カ国からなる( ③ )を開催している。設立当初は持続的成長を続けるASEANへの市場参加を目指してEU側の関心も高かったが、1997年の( ④ )以降、ASEAN経済の低迷が続くなか、EUのASEANに対する関心も急激に低下、会議への外相級の参加はまれになった。
その後、EUは1999年、( ⑤ )を実現した。
①:1.ローマ条約 2.ニース条約 3.アムステルダム条約
4.マーストリヒト条約
②:1.ブリュッセル 2.ルクセンブルグ 3.コペンハーゲン
4.アムステルダム
③:1.上海協力機構 2.アジア欧州会議 3.ASEAN地域フォーラム
4.アジア太平洋経済協力会議
④:1.香港の返還 2.中台関係の緊張 3.アジア通貨危機
4.バリ島の爆弾テロ事件
⑤:1.念願の通貨統合 2.消極派のイギリスの加盟 3.難民問題への対応
4.労働移民への規制強化
解答
① 4
マーストリヒト条約では、欧州中央銀行(ECB)の創設と通貨統合を実現することを目指し、かつ、新たに共通の外交政策と共通の安全保障政策をもった「欧州連合」として出発することを決めた。
② 1
ベルギーの首都。
③ 2
1996年3月にバンコクで、第1回首脳会議が開催された。アジア諸国と米大陸の間にはアジア太平洋経済協力会議(APEC)という協議の場があるが、欧州との間には定期的な協議の場がなかった。
④ 3
1997年7月のタイ・バーツの変動相場制移行に端を発し、インドネシア、韓国など東アジア諸国に波及した通貨危機。香港の返還も同じ年にあったが、経済的打撃という点で除外。
⑤ 1
ユーロの呼称で導入された欧州単一通貨