日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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言語理解の過程

登録日

2012年01月17日

問題

次の文章を読み、後の各問いに答えよ。

「ケメ,ホマ,コニ,…」など,A 30個の無意味語を,一定の間隔を空けて読み上げた後,その単語を思い出せるだけ思い出すという実験がある。こうしたテストを多数回行い,リスト内の正解率を出すと最初の方と最後の方の単語をよく覚えているという結果になる。項目数を20個にしても40個にしても結果は同様である。単語の位置によってどのくらい思い出しやすさが違うかは,U字型の曲線になる。これを(1)という。
最初の項目の成績上昇を(2),最終の項目の成績上昇を(3)と呼ぶ。 (2)は,まだ頭の中が真白な状態のときに単語が入ってきて,B 頭の中でその単語が繰り返され,しっかり覚えることができることによる。これは,Xに関係している。また,(3)は,ついさっき聞いたばかりだから覚えているということである。これは, Yに関係している。これらは,記憶がXYの二つから成り立っていることを示している。
 

問1)

文章中の下線部Aについて最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
1.  SD法    2. 節約法    3. 再認法    4. 自由再生法
 

問2)

文章中の(1)(3)に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中からそれぞれ一つずつ選べ。
(1) 1. 学習曲線     2. 忘却曲線     3. 系列位置曲線     4. U字型発達曲線
(2) 1. 天井効果     2. 初頭効果     3. ピグマリオン効果     4. プライミング効果
(3) 1. 後光効果     2. 床面効果     3. ホーソン効果     4. 新近性効果
 

問3)

文章中の下線部Bをなんと呼ぶか。最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
1. カテゴリー化     2. リハーサル     3. スクリプト     4. ラポール
 

問4)

文章中のXYの組み合わせとして最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

  1. X=短期記憶      Y=長期記憶
  2. X=長期記憶      Y=短期記憶
  3. X=宣言的記憶      Y=手続き的記憶
  4. X=手続き的記憶      Y=宣言的記憶

 

解答

問1) 4
問2) (1)3 (2)2 (3)4
問3) 2
問4) 2

問題解説

問2)

(1)系列位置曲線(系列位置効果とも)は,初頭効果と新近性効果をグラフ化したもの。 
(2)最初のほうの単語の再生率が高かったことを初頭効果と呼び,
(3)最後のほうの単語の再生率が高かったことを新近性効果と呼ぶ。

問3)

短期記憶から長期記憶に転送される際の方法をリハーサルと言う。何度も繰り返すような方法を「維持リハーサル」,語呂合わせなどや既知の知識との関連付けを行うようなものを「精緻化リハーサル」という。

問4)

系列位置曲線によって,初頭効果は長期記憶,新近性効果は短期記憶であると説明がつく。記憶が短期記憶と長期記憶の2つから成り立っているという二重貯蔵モデルを支持する証拠とされる。

 

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