日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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言語と社会の関係

登録日

2013年03月05日

問題

次の文章を読み,下の問いに答えよ。

異なる言語を話す人たちが,商取引などでの必要性から,コミュニケーションの手段として,ある程度の慣習的な体系を持つA混成言語を作りだすことがある。この混成言語は,特定の場で特定の相手との間で使われるもので,語彙も少なく,文法構造も簡略で,母語に影響された音声を持ち,しかもいずれの話者の母語ではない。

したがって,その混成言語を使う必要性がなくなればすたれていくが,多言語社会においては,多くの異なる母語話者間の共通語として重要な機能を持ち,言語構造や語彙も,初期に比べて充実拡大していくものもある。たとえばパプアニューギニアでは,英語基盤の (ア) が重要な共通語となっており,首都近辺では母語化が進んでいるとも言われている。

最終的に,混成言語が母語化した場合には, (イ) とよばれる。母語化された (イ) は,日常生活全般にわたり自然言語と同じような機能を果たさなければならないので,語彙も多くなり,発音や文法の特徴も複雑になって,固定化されていく。

問1)

文章中の下線部A「混成言語」のことを何というか。最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

1. リンガ・フランカ     2. ピジン     3. プランテーション     4. ダイグロシア
 

問2)

文章中の (ア) に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

1. トクピシン     2. コックニー     3. アフリカーンス     4. フスハ
 

問3)

文章中の (イ) に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

1. デクレオリゼーション     2. コード・ミキシング     3. ダイクシス     4. クレオール

解答

問1)  2
問2)  1
問3)  4

問題解説

問1)

「リンガ・フランカ」も広義には「混成共通語」であるが,本来は地中海沿岸貿易において,フランス語・イタリア語・スペイン語などのロマンス諸語とトルコ語・アラビア語などの非ロマンス諸語を話す人たちにおいて共通語として発達した混成語を指す。

問3)

1. 「デクレオリゼーション」とは脱クレオール化のこと。
2. 「コード・ミキシング」とは2つの言語をちゃんぽんに話すこと。
3. 「ダイクシス」とは「直示」のこと(錯乱肢)。

 

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