日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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言語習得・発達

登録日

2010年02月09日

問題

次の文章を読み、各問いに答えよ。

L1でもL2でもない学習者が作り上げた独自の発達途上の言語体系のことを「中間言語」とセリンカーは呼んだ。

 セリンカーは中間言語の形成に影響を及ぼす要素として5つを挙げていた。まず、L1からの( A )である。これはL1のパターンをL2に当てはめることだが、正の( A )も負の( A )も起きる。二つ目は、言語規則の( B )で学習者は少ない規則で多くのことを表現しようとするので、適用できないコンテクストのまで規則を適用してしまうのである。三つ目は、訓練の転移の可能性である。これは、教え方が適切でないために、教室学習の弊害により起きる誤りである。四つ目は、伝達ストラテジーの使用である。言語能力が不十分な場合は、身振りや言い換えを使ったり、使用を( C )したり、L1にコード・スイッチングしたりする。五つ目は、L2の学習ストラテジーである。(中略)これらの要素が絡み合って、学習者それぞれの文法体系が築かれるとされたのである。

 

問1)

文章中の( A )に入る最も適当なものを選べ。

  1. 干渉
  2. 転移
  3. 有標
  4. 交渉
     

問2)

文章中の( B )に入る最も適当なものを選べ。

  1. 再構築
  2. 過剰使用
  3. 習慣形成
  4. 過剰般化
     

問3)

文章中の( C )に入る最も適当なものを選べ。

  1. 回避
  2. 制限
  3. 留保
  4. 強化
     

問4)

上記文章中に挙げられた五つの要素によって、中間言語の発達過程で「ある項目が誤用のまま改善されないで残る」現象が見られる。この現象を何と呼ぶか。

  1. 潜在化
  2. 言語内エラー
  3. 意識化
  4. 化石化

解答

問1) 2
問2) 4
問3) 1
問4) 4

問題解説

問1)

L1のパターンをL2に当てはめてうまくいく場合は「正の転移」、そうでない場合は「負の転移」という。

問2)

過剰一般化ともいう。

問3)

苦手な文法形式などをあえて使わずに、別の表現などを使うことがこれに当たる。

 

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