日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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言語教育法・実技(実習)

登録日

2014年08月12日

問題

*この問題は2006年に掲載した問題の再掲載となります。申し訳ありませんが、ご了承ください。

 

次のロールプレイ授業の教案を読み、問いに答えよ。

 

活動例:

ロールカードA

あなたは学生です。知り合いから映画の招待券を2枚もらいました。友人のBさんを誘って見に行きます。Bさんの都合を聞いて、日時、待ち合わせ場所を決めます。

 

ロールカードB

あなたは学生です。友人のAさんから誘われます。木・金・土曜日はアルバイトをしているので、時間がありません。それ以外の日なら一緒に行くことにします。

 

手順: 

(1)

導入
映画やコンサート、絵画展などのチケットを見せて、どんなものに興味があるか話し合う。

(2)

相手を誘う言い方の練習
「コンサートのチケットをもらったんだけど、一緒に行きませんか」
「今度の日曜日は暇ですか」など

(3)

誘いに対する答え方の練習   
(誘いを受ける場合)
  「ええ、いいですよ。いつですか」
  「何の映画ですか」   
(断る場合)
  「その日はちょっと、都合が悪いんですけど」
  「残念ですが、アルバイトがあるので」
  「①」など

(4)

ロールプレイの実施

  1. 役割を決める(誘う側と誘われる側)
  2. ロールカードの配布
  3. ペアで実施

(5)

フィードバック
ロールプレイ中に見られた誤用の訂正や他の表現の紹介などを行う。

 

問1)

ロールカードの作成で注意しなければならない点として不適当なものを選べ。

  1. インフォーメーション・ギャップのある状況を設定しておく。
  2. 開いたタスクにならないように収束部分を必ず明記しておく。
  3. 学習者のレベルや状況によっては、媒介語で指示を書いておく。
  4. 相手と自分との関係や背景・経緯などの情報は過不足なく書いておく。

 

問2)

誘いを断った場合は、関係の修復をしておくとよい。教案の「①」に入れるモデル発話の例として最も適当なものを選べ。

  1. 一人でもいけますよ。
  2. また今度誘ってください。
  3. アルバイトがあるので無理です。
  4. アクション映画だったら行きたいです。

 

問3)

教案中の(4)ロールプレイの実施について、最も適当なものを選べ。

  1. ロールプレイの相手は教師がしてはならない。
  2. 丁寧さの異なる話し方の練習のためにロールを入れ替える。
  3. 事前にいくつか空白を入れたダイアローグを配布し、空白部分を考えさせる。
  4. 上司と部下のような待遇関係があるものは、上司役に適した学習者に役割を与える。
     

問4)

コミュニカティブな教室活動を展開しながら、言語形式にも焦点を当てて行う指導を何と言うか。

  1. アコモデーション理論
  2. コンペティション・モデル
  3. フォーカス・オン・フォーム
  4. フォーカス・オン・フォームズ

 

解答

問1) 2
問2) 2
問3) 2
問4) 3

問題解説

問1)

ロールプレイではなるべく実際の会話に近い、相手の発話によって自分の発話を決めて会話を作り出す練習を行う。必ずしも、その会話はうまく収束するとは限らない。

問2)

承諾の場合は確認が、拒否の場合は関係の修復が必要。

問3)

役割を入れ替えることによって、丁寧さの度合いを変えたレベル練習となる。教師が相手を務めるのは特に問題ではない。

問4)

フォーカス・オン・フォームとは、言語形式の焦点化のこと。コミュニカティブな教室活動を展開しながら、言語形式にも焦点を当てて指導をすること。フォーカス・オン・フォームズとは、文法訳読法やオーディオ・リンガル法などで文法を明示的に教える教授法を称する。

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