日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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登録日

2014年04月29日

問題

*この問題は2006年に掲載した問題の再掲載となります。申し訳ありませんが、ご了承ください。

次の文章を読んで、後の問に答えよ。

  日本語は中国語の漢字漢文を取り入れ、日本語の文字表記としてきた。その際、①正式な漢文体では日本語の文章を書き表すのに不都合が生じた。やがて語順を日本語の順にした文章が登場し、和漢混交文、漢字かな交じり文が成立する。
  こうした漢字かな交じり文の成立過程をみると、日本語の構造もとらえやすくなる。中国語では「人」「走」「路」がそれぞれそれぞれ孤立して置かれ、文法関係は( ② )によって表される。言語類型論ではこれを「孤立語」と呼んでいる。これに対し日本語はこうした「人」「走」「路」などの概念本体を担う部分と、テニヲハのような文法関係を受け持つ部分とに大きく分かれている。後者が前者を膠(にかわ)のようにつないでおり、「膠着語」と呼ばれる。また、現在の⑤学校文法では概念本体の部分を「自立語」、テニヲハの部分を「付属語」と呼んでいる。国文学では古くから、前者を「 ③ 」、後者を「 ④ 」と呼びならわしてきた。
 

問1 文章中の下線部①について述べた。適切でないものを一つ選べ。

  1. 日本語では主語-目的語-述語の語順であるが、中国語では主語-述語-目的語という語順をとる。
  2. 日本語では送り仮名、助詞、助動詞などがあり、漢文をそのまま利用できなかった。
  3. 中国語にはなく、日本独特の要素を持つ漢文は、和習があるという。
  4. 漢文を日本語読みさせるために「読点」といわれるものが発明された。 

 

問2 文章中の( ② )~( ④ )に入るものをそれぞれ一つずつ選べ。
 a)語順  b)辞  c)語の活用  d)前置詞  e)詞  f)観念語
 

問3 文章中の下線部⑤について述べた。最も適当なものを一つ選べ。

  1. 連体詞、感動詞、助動詞は自立語に分類される。
  2. 動詞、形容詞、名詞は自立語に分類される。
  3. 助詞、副詞は付属語に分類される。
  4. 接続詞、数詞は付属語に分類される。

解答

問1 4
問2 ②-a  ③-e  ④-b  
問3 2

問題解説

問1 「読点」→「訓点」の誤り。
問2 中国語は本文にあるように、語順によって文法関係が表される孤立語。f の「観念語」とは山田孝雄の術語で体言、用言、副詞を含む。
問3 1.の助動詞は付属語、3.の副詞、4.の接続詞、数詞は自立語である。

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