日本語教育能力検定試験「マンボウ」問題

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言語教育法・実技(実習)

登録日

2015年08月04日

問題

*この問題は2006年に掲載した問題の再掲載となります。申し訳ありませんが、ご了承ください。

次の文章を読み、後の問いに答えよ。

 理想の教師像は時代によって変化する。戦前の外国語教育のように教養的な意味合いが強かった時代には、A 現場に出てから先輩を見習い、あるいは、経験を積むことで自然に習得していくものと考えられていたのである。
 1980年台に入り、教育現場の混迷に後押しされて、教師教育をより現実に密着させ、理論と実践の溝を埋めると同時に、プロとしての自立を目指す“teacher development”の方法が模索され始めた。そこから生じたのが、具体的な問題解決を目指すB アクション・リサーチである。当然、教師の養成は「大学から教室へ」比重を移すことになる。
 では、現在、主流になりつつあるこの発想で、万事解決するのであろうか。問題も指摘されている。例えば、基礎的な技量のない初心者が、果たして適切な省察ができるのか。また、実習はできても、場面の異なる教室で、実習での省察は生きるのか。個人的な好みに左右されて、効率的な指導法の探求を放棄する口実になるのではないか。省察の結果の良し悪しをどのように評価するのか、などである。
 また、スタンフォード大学のアレンらによって開発されたマイクロ・ティーチングなどの手法を用いて、省察を助ける方法を工夫することも必要だと思われる。

 

問1) 文章中の下線部Aの考え方はどのように呼ばれるか。

  1. 内省モデル
  2. 応用科学モデル
  3. クラフト・モデル
  4. コンペティション・モデル

 

問2) 文章中の下線部Aの考え方の特徴として、最も適当なものを選べ。

  1. 実践する者の経験的知識が正当に評価されにくい。
  2. 専門職の職業上の英知は、熟練者だけが持っている。
  3. 職業的知識は、書物などの学習を通して得た知識によって構成される。
  4. 研究者が科学的知識とその適用技術を提供し、それを実践者が理解し、適用する。

 

問3) 文章中の下線部Bの用語を最初に提案した心理学者は誰か。

  1. レヴィン
  2. エックマン
  3. マクレランド
  4. オックスフォード


問4) 文章中の下線部Bの特徴として不適当なものを選べ。

  1. 小規模で状況密着型である。
  2. 教育の質の向上を目標に行うものである。
  3. 授業を行っている教師自身が行うものである。
  4. 自分の教室を越えた一般化を直接的に目指すものである。

解答

問1) 3
問2) 1
問3) 1
問4) 4

問題解説

問1)

教師教育モデルは、伝統的なクラフト・モデル⇒応用科学モデル⇒内省モデルという流れがある。

問2)

基本的には職人の世界の後継者養成のイメージ、模倣。

問3)

グループ・ダイナミックスの創始者。アクション・リサーチは、教師が自己成長を目指して行う自分サイズの調査研究。内省するリサーチともいえる。

問4)

あくまで自分の教室についての改善を目指すもので、一般的なものではない。

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