用語名
能と狂言
のうときょうげん
用語詳細
南北朝時代に入り、観阿弥・世阿弥の父子が「猿楽の能」を完成する。観阿弥(かんあみ。1333 − 1384)は大和の山田猿楽の出身で物まねの要素と歌舞とをミックスさせ、観客が上層部へと変化するのに伴い「幽玄」を前面に押し出す芸風を開拓した。観阿弥・世阿弥父子は将軍足利義満(1358 − 1408)の手厚い庇護を受けた。世阿弥は「幽玄」や「花」の美意識を『風姿花伝』『花鏡』などの著作で展開させた。「幽玄」は完成した優美さに通じ、「花」は観客をうっとりさせる役者の味、とでもいえようか。能はやがて江戸幕府の式楽として儀式の折などに用いられる。猿楽の笑いの要素を発達させたものが狂言であろうと言われていて、能が面を用いるのに対して、狂言は面を用いずに滑稽さを写実的なセリフを用いて演じるものが多い。
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