用語名

有標・無標・中和

ゆうひょう・むひょう・ちゅうわ

用語詳細

対立する言語的単位において、より一般的に出現する方を無標(unmarked)、特殊な方を有標(marked)という。もともとプラーグ学派の音韻論において、二つの音素がただ一つの弁別的特徴(±有声など)において異なるときその特徴を有する方を有標と呼んでいた。生成文法理論において、語彙論、統語論にも使われるようになった。「広さ」「狭さ」という二つの語は(±広さ)という唯一の弁別的意味特性で異なる。「部屋の広さはどれぐらいですか」という文では、「広いこと」が前提とされている場合と「広いこと」も「狭いこと」も前提とされない場合がある。これに対し、「部屋の狭さはどれぐらいですか」という文では必ず「狭いこと」が前提とされるため、「狭さ」の方が特殊、有標であり「広さ」は無標である。また「部屋の広さはどれぐらいですか」という文が「広いこと」を前提としない場合、その「広さ」は(±広さ)という弁別的意味特性の対立が中和しているという。

検索インデックス


検索カテゴリー

言語の構造一般

アークアカデミー 日本語教育能力検定試験 対策講座