用語名

ポライトネスの公理(politeness principle)

ぽらいとねすのこうり

用語詳細

リーチ(Leech)は、次の公理を組み合わせて①は②よりも重要だ、③と④ではどうかというように自分か相手かへの関心度により使い分けると分析した。丁寧さの原則。
①気配りの公理(Tact Maxim)
 相手のa 負担を最小限に、b 利益は最大限に、する配慮。
 A:「ほんの少しの間、お借りできますか。」
 B:「 ほんの少しなんておっしゃらずに、どうぞ、ごゆっくりお読み下さい。もう私は読みましたから、よろしかったらさしあげましょうか。」
②寛大性の公理(Generosity Maxim)
 自分のa 利益を最小限に、b 負担は最大限に、する配慮。
 「 おいしそうなので、つい5個も買ってきてしまいました。お好きでしたら、どうぞどうぞ3個でも4個でも召しあがってください。わたしは1個で十分ですもの。」
③是認の公理(Approbation Maxim)
 相手へのa 非難を最小限に、b 賞賛を最大限に、する配慮。
 「 ご苦労の甲斐がありましたねえ。御子息さま、なんてまあご立派になられましたことでしょう。」
④謙遜の公理(Modesty Maxim)
 自分へのa 賞賛を最小限に、b 非難を最大限に、する配慮。
 「 なにしろ御存知のような貧乏所帯なもので、こんな粗末なものしかできませんでした。」
⑤合意の公理(Agreement Maxim)
  自分と相手とのa 意見の食い違いを最小限にくいとめ、b 意見の合意を最大限に、する配慮。取引の場で、
 「その点につきましては前向きに考えさせていただきます。」
  といって、一応交渉を打ちきって難しくなった場から逃れようとする発話などにみられる。
⑥共感の公理(Sympathy Maxim)
 自分と相手とのa 反感を最小限に、b 共感を最大限に、する配慮。
 「 合格おめでとうございます。ほんとうによかったですね。わたしも自分のことのように嬉しいです。」

検索インデックス


検索カテゴリー

言語使用と社会

アークアカデミー 日本語教育能力検定試験 対策講座