用語名

コンテクスト文化/文脈文化(high context ・low context)

こんてくすとぶんか

用語詳細

コンテクストは,文脈化とも訳される。社会生活におけるコミュニケーションの実相を区分する見方である。ホール(E.Hall)の提唱。
文化が共通で情報が国の隅々まで伝わりやすい日本は高コンテクスト文化に属し、国土が広く多くの民族が共存するようなアメリカは低コンテクスト文化に属するとされる。
また、日本語では、「どちらへ」と聞かれて「ちょっとそこまで」と応えるような曖昧さが言語生活の随所に現われることを好み、英語はかなりはっきりと表現することを好むというようなことからも、日本語は高コンテクスト文化である、という。「阿吽」の呼吸をよしとして言葉がなくても「察し」をする日本語の社会は高コンテクスト文化の会話で、いわゆる口数がきわめて少ない。
2002 年2月18 日付けの朝日新聞に、オリンピックの日本の選手に比べて「外国選手は能弁だ」という記事があるが、これは個人がはっきりとメッセージを発する低コンテクスト文化育ちの人の特徴であろう。はっきりと能弁に自己を主張しないと認めてもらえない文化の中で培った能力の現われといえる。

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