用語名

時制/テンス

じせい/てんす

用語詳細

当該の事態の時を発話時を基準にして位置付ける文法形式のこと。発話時と同じであれば「現在」、発話時より前のものは「過去」、発話時より後のものは「未来」という。テンスを表す主要な形式は、述語の「現在形(基本形)」と「過去形(タ形)」である。
(1)状態性述語の場合
 ① 現在形は一般に「現在の状態」か「現在までの状態」を表す
  ・あそこにポチがいる。(現在の状態)
  ・日本はこの数年ずっと景気が悪い。(現在までの状態)
 ② 話者が必ずそうなると確信しているとき「未来の状態」を表す
  ・来年、私は社会人です。
 ③ 過去形は一般に「過去の状態」か「過去のある時点までの状態」を表す
  ・きのうはいい天気でした。(過去の状態)
  ・きのうまでずっといい天気でした。(過去のある時点までの状態)
(2)動作性述語の場合
 ① 現在形は一般に「未来の時点」を表す
  ・来週の日曜日に大阪へ行く。
 ② 「現在の習慣」「思考・感覚表現」「発話内行為」を表す
  ・日曜日はたいてい釣りに行く。(現在の習慣)
  ・私もそう思います。(思考・感覚表現)
  ・小鳥のさえずりが聞こえる。(思考・感覚表現)
  ・訂正してお詫びいたします。(発話内行為)
 ③ 過去形は一般に「過去の時点」を表す
  ・きのうデパートで、このシャツを買った。
(3)現在形でテンスを持たない表現がある
  ・カニはたいていああいう岩の下にいる。(習性)
  ・二等辺三角形の底角は等しい。(一般法則)
  ・学問の自由は、これを保障する。(憲法第23 条)
  ・鯨は哺乳類だ。(定義)

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