用語名

推論モデル

すいろんもでる

用語詳細

スペルベルとウィルソンの関連性理論の中心となる概念である。
A「コーヒーをお飲みになりますか。」
B「コーヒーを飲むと眠れなくなるんですよ。」という会話において、Bの発話は
①「コーヒーを飲むと眠れなくなる」という字義通りの意味と
②「コーヒーはいらない」という断りの意味の二つの解釈ができる。
しかし、この会話でAは②の意味であると解釈するのが一般的であり、それは質問の答えである以上、Bの発話はAの発話に関連していると無意識のうちに理解しているからである。このときAはBの発話を<コーヒーを飲むと眠れなくなる>→<もうすぐ寝る時間であり、眠れなくなるのは困る>→<コーヒーは飲みたくない>という推論に即して解釈を行っていることになる。「コーヒーを飲むと眠れなくなる」という文自体は「コーヒーの申し出を断る」という意味を内包しているわけではない。このようにメッセージの解釈(解読)は「字義通りの意味の復元(コード・モデル)」+「推論(推論モデル)」によって導き出されていて、この二つの異なる伝達の仕組みによって言語伝達が行われるのだとスペルベルとウィルソンは述べている。

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