用語名

転移と干渉

てんいとかんしょう

用語詳細

すでに獲得している言語の規則を、学習している他の言語に適用することを転移と言う。転移により、学習言語の理解がしやすくなることを正の転移、反対に、転移により学習言語の理解が妨げられる、あるいは間違って理解・使用してしまうことを負の転移と呼ぶ。負の転移のことを母語の干渉と言うこともある。
例えば、英語話者に、少し気温が高いという意味で「あたたかい」という語を教えれば、「あたたかい人」を「思いやりのある人」と理解できるだろう。これは、英語の「warm」にも同様の使い方があるからであり、正の転移となる。それに対し、飲み物や食べ物が冷
えていることを「つめたい」と教えた後、「今日はつめたいですね。」と誤った文を作るのは、負の転移である。英語の「cold」は物にも気温にも使えるが、日本語の「つめたい」は気温には使えないことを確認しておかなければならない。

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