用語名

日本人移民

にほんじんいみん

用語詳細

近代の日本人移民は明治初期から敗戦後の昭和30年頃まで、ハワイ、北・中・南米を中心に行われた。国内の労働市場が少ないため、新天地を求めて移住した人々の数は、敗戦前後の時期で北米が約41 万(うち約半数がハワイ)、中・南米が24 万とされている。これに対し台湾、朝鮮をはじめとする日本の植民地はすでに人口密度が高く、千島・南樺太(敗戦時28 万)、中国東北(満州)への農業移民(同27 万)を除けば、日本人労働力の移住はわずかでありまた、その殆どが官吏や軍人、会社員などであったため、狭義の移民とは言えない。大洋州に移住した移民は現地で偏見や貧困などの辛苦にあえぎ、北米では強制収容の憂き目にもあった。しかし今日では市民権を得て、受入国の日系市民として生活している。
石川達三『蒼茫』(第1回芥川賞受賞作)は南米への移民を描いたものである。

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