用語名

アイヌ文化振興法

あいぬぶんかしんこうほう

用語詳細

明治維新以後の和人の進出や開拓政策のために、窮迫を深めたアイヌの人々に対し、土地の確保、教育の普及などを目的として1899 年、北海道旧土人保護法が制定された。旧土人とは1878 年の開拓使の達(たつし)が用いたアイヌに対する呼称である。時代にそぐわない内容と差別的な名称から、長く廃止が望まれており、1997 年「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」、略称「アイヌ文化振興法」の制定に伴って廃止された。同法は、「アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現を図り、あわせて我が国の多様な文化の発展に寄与すること」を目的としているが、単にアイヌ文化の振興や普及策のみを規定したもので、この法律の評価をめぐっては異論もある。ただ近代以降の日本の歴史のなかで、日本の政府がアイヌ民族の存在を認め、アイヌ文化の振興を規定した法律を制定したのはこれが最初である。

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