用語名
仮名遣いの歴史
かなづかいのれきし
用語詳細
万葉仮名の用いられていたころには、どの言葉にはどの文字を用いるかという、仮名遣いが確定していたが、時代の進行とともに崩れてしまった。藤原定家と行阿のいわゆる定家仮名遣いが最初の警鐘を鳴らし、和歌や連歌などではこれが用いられ一般化した。江戸時代中期、契沖(1640 - 1701)は、『和字正濫鈔』(わじしょうらんしょう)を著して、定家仮名遣いなどにみられる文字遣いの乱れを正そうとし、「い・ゐ・ひ/を・お・ほ/え・ゑ・へ/わ・は」の仮名遣いについて、具体例を挙げて説いた。これらは、契沖が古典によって客観的に調査した結論であった。その後、揖取魚彦(かとりなひこ)が、その著『古言梯』(こげんてい)において、未詳の文字などを明らかにした。『古言梯』では古辞書『新撰字鏡』に拠るなどして、分かりにくかった文字を解明し、その後、明治時代を調査にあてた国語調査委員会編の『疑問仮名遣』(1912 - 1915 年刊)により、歴史的仮名遣いのあるべき用い方が明らかになる。そもそも、仮名遣いが崩れたのは、言葉の発音に変化が生じ、もともと表記していた文字とかけ離れてしまったことによる。
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