用語名
従属句の三分類
じゅうぞくくのさんぶんるい
用語詳細
南不二男は、複文の分析において主節に対する節を「従属句」と名付け、その中にどのような要素が入るか、例えば否定の表現は入るか、丁寧な表現は入るかなどや主題の「提示」を表す「〜は」が現れるかどうかなどによって、「従属句」を三種類に分類し、それらの主節に対する従属度を考察した。各従属句は、以下のように分けられ、A、B、Cの順で従属度が低くなるとしている。
A・〜ナガラ(継続)と共通したものの類
使役の表現 ○飲ませながら
やりもらいの表現 ○ 肩を叩いてもらいながら
否定の表現 × 飲まないながら
過去の表現 ×飲んだながら
丁寧語(ます) × 飲みましながら
意向形 × 飲もうながら
主題提示の「〜は」 × 彼は飲みながら、テレビを見ていた。
(「〜は」は「〜ながら」の中に収まるのではなく、主節の「見ていた」にも係っていく)
B・〜ノデ(条件的な意味を表す)と共通したものの類
使役の表現 ○ 飲ませるので
やりもらいの表現 ○ 肩を叩いてもらうので
否定の表現 ○ 飲まないので
過去の表現 ○ 飲んだので
丁寧語(ます) ○ 飲みますので
意向形 ×飲もうので
主題提示の「〜は」 × 彼は飲むので、運転しない。
(「〜は」は「〜ので」の中に収まるのではなく、主節の「運転しない」にも係っていく)
C・〜ガ (〜カラ、〜ケレド)の類
使役の表現 ○ 飲ませるが、
やりもらいの表現 ○ 肩を叩いてもらうが
否定の表現 ○ 飲まないが
過去の表現 ○ 飲んだが
丁寧語(ます) ○ 飲みますが、
意向形 ○ 飲もうが
主題提示の「〜は」 ○ 天気は悪かったが、私たちはでかけることにした。
つまり「A・〜ナガラ(継続)類」は、その中で使える表現に制限が一番多いので、従属度が一番高く、次いで「B・〜ノデ類」が従属度が高く、最後に「C・〜ガ(〜カラ、〜ケレド)」類が、その中で使える表現に制限が一番少ないので、従属度が一番低く、「最も普通の文に近い」とされている。
⇒丁寧化百分率
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