用語名

朝鮮語

ちょうせんご

用語詳細

大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国の国語。大韓民国では韓国語という。文法構造はアルタイ諸語や日本語によく似ているが、構造上の類似に比べて、共通の語彙が乏しいため、厳密な親族関係は証明されていない。接尾辞の接合による膠着語的構成が特徴で、性・数・格はなく、人称とも無関係である。形態構造や統辞構造など、文法は日本語に近いが、音韻面でかなりの違いが見られる。新羅・高麗時代は漢字の複雑な用字法(吏読(りとう)文字)で記録されていたが、15 世紀に李朝第4代の国王世宗が「訓民正音」を公布し、現在ハングルと呼ばれる国字が制定されて、文字による朝鮮語の適切な表現が可能となった。

[音韻]
子音では、破裂音、破擦音が無気、有気、喉頭化の対立による3 系列の体系をなす点が特色で、摩擦音にも関連した対立がある。無気音は語頭で無声音、有声音の間では有声音である。流音は1 個だけで母音間で[r ]、音節末で[ l ] となる。他に[ h ] と鼻音3 個[m、n、ペ] があるが、流音と[ ペ] は語頭には現れない。母音は前舌母音[ i、e、ズ]、後舌母音[ u、 o、タ、a ]、中舌母音[ セ、ト] があるが、母音[ ト] は特に現在の若者の間では、あまり使われなくなってきていると言われる。

[文法]
日本語同様、主語は必ずしも必要でなく、述語が中心となって文を構成する。細かな待遇表現が発達している点も日本語に類似している。しかし敬意表現の基準は年齢の上下関係で、「ウチ・ソト」の区別なく用いられる、いわゆる絶対敬語である。また、目下の者に対して待遇表現は用いない。その他、連体詞に事物を指示する形式があって、日本語のコ・ソ・ア・ドに似た体系がみられる。

[語彙]
古くから漢字を受け入れ多量の漢字語が用いられる。漢字語には中国の古典に由来する教養語のほか、独自に作られたもの、近代以後に日本から輸入されたものもある。朝鮮語固有の語彙には、動作や感覚に密着したものが多く、これらの違いを具体的に表現し分ける。特に擬態語・擬音語は豊富で、母音や子音の交替によって微妙な感覚的差異を表現する。

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